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花みち元気塾通信2022年9月「変化球で決めよう!」

暑かった夏が終わり9月になりました。


この夏私自身ワクワク感満載でした。
夏は受験生以外には机上の学習以外のことを考えることが私の楽しみであるからです。
この夏は数年ぶりにアジの解剖に取り組みました。まず始めに私たち人はどうやって生きているのかを皆で考えます。

土、水の中の微生物から命が繋がり、食料となった生物を食べて私たちは生きていることなど、
子ども達は「いただきます」の意味は命をいただくという意味を含んでいることを知ります。
いざ解剖になると、最初は生の魚を目にして「えー」と戸惑っていた子ども達ですが、
エラを開くと口まで繋がっていることがわかる頃になると慣れてきます。
内臓を取り出し、テキストの写真にあるようになっているかを確かめながら真剣になってきて、
「これは卵かな?」」
「こんなに目の水晶体はきれいになっている」
など私の知らなかったことまで教えてくれました。

新しいことを知る瞬間は子ども達をキラキラ輝やかせます。
以前は焼いて食べていましたが、コロナが心配な今は土に返し皆で拝んで終わりにしました。
 
その他にも、皆で100円持って買い物に行き時間を決め何が買えるか、
紙粘土で立方体をどれだけきれいに作れるか、
散歩しながらいくつの植物を知っているかなど、
子ども達はこうしたことが大好きです。

計算のスピードや暗記には直接結びつかないこの学習ですが、私には大きな意味があるように思います。   

時間内の買い物は判断力と決定力に繋がります。
丁寧に紙粘土で皺なく立方体を作ることは落ち着いて物事に取り組む力に繋がり、特に文字が乱れがちな子に試すのにとても良いです。
散歩しながらの植物の観察は、学校に通う途中で見る風景が季節により変わり、いつどんな植物を目にするか気にかけるようになると思います。

経験して考えていくことは、学習上での最終的な思考力、表現力の力に結びつくことでしょう。
野球のボールで言うとすごいスピードの直球ではなく、カーブやスライダーの変化球です。
ですが、最後はストライクゾーンに決まると思います。

そんなに慌てて多くを詰め込むことは必要なのか?その子にあった学びはすぐにはテストの点数に結びつかないとしても将来の道には大切な何かになるのではないか?
変化球の学びから視野に幅が広がり、深い思考が生まれて欲しいと願っています。

夏の学習を終えた子ども達に、今年度の後半も「笑顔で過ごそう」そう声をかけていきます。

いつかそれぞれの子達の投げた変化球がそれぞれの思いを持って決まることを私は信じています。