年長さん、6年生、中学3年生の皆様、ご卒園ご卒業おめでとうございます。
我が子の成長を実感して感慨深くなる一方、気の合う友達ができるだろうか、怪我なく登校できるだろうか、勉強についていけるだろうか…新しい環境への心配も増えますよね。
我が家は「イベントに弱い稲川家」として巷で有名に?なるほど、イベントになると誰かが不調になりがちでした。溶連菌で入園式欠席、入学式の真っ最中に頬がみるみる腫れ、おたふく風邪と判明、運動会の前日まで肺炎で入院、等々、今となっては笑い話ですが、当時はとても切ない想いをしたものです。今年は中3の娘が受験ということもあり、とにかく家族全員が健康でいることを祈って、入試という大イベントを乗り越えました。入試直前に言った娘の言葉で、はっとさせられたことがあります。
「お母さん、お弁当にがんばれメッセージとか、やめてね!普通でいいから。変に力んじゃうから。平常心保つために、ふっつーうのお弁当でお願い。」と。
なるほど、そうか。いつも通り普通に、唐揚げに卵焼きでいいのね?弁当袋に入れる予定だったメッセージカードを捨て、受験当日に家を出る時も、敢えて普通に「忘れ物ない?いってらっしゃい!」とだけ言って送り出しました。
そこで、思い出したのが「イベントに弱い稲川家」事件です。もしや、私の過度の期待や不安が子ども達にとっては、大きなプレッシャーになっていたのではないだろうか。「ママ、すっごく楽しみにしてる!」「入学式に向けて早く寝よう!」「暖かくしなさい。運動会出られなくなるよ。」悪気なく、イベントは特別重要なもの、うまくいかなかったら大変と、過度に声掛けしていたかもしれません。
いつも通り普通の生活で、普通の笑顔で、普通の会話。これが子どもにとっては「大丈夫」と思える安心感、なんですよね。
子育て歴15年目にして、初めて本当の「子離れ」をした気がします。もちろん、心の中は「無事、受験会場に着けたかな。寒くないかな。おなか痛くなったりしないかな。」とどっきんどっきんでしたけどね。
新しい環境では、友達とけんかもするし、怪我もする。勉強が難しくて悩むこともあるだろうし、泣いて帰ってくる日もある。それがその子の糧となり強さとなる。
皆さんも、お子さんの新しい門出を、いつも通りの笑顔で送り出してあげてくださいね。
稲川頼子