塾生【入試合格実績】はこちら

花みち元気塾通信2024年12月「共存」と「つながり」

 大分以前になりますが十五夜用にススキを探した時、なかなか見つからず、それまでススキがあった場所に外来種のセイタカアワダチソウが生え代わっていた覚えがありました。
 それが次第にススキも見つけやすくなり、今年はススキとセイタカアワダチソウが一緒に生えている場所を見つけ「おー!」と思いました。植物には繁殖場所の戦いを経て共存していくことがあるのを感じたのです。
 人間も生物という面では同じなので、私が見たススキとセイタカアワダチソウのように最初は反発しあっていた関係も次第に分かり合えて一緒に過ごせることがあるように思いました。

 また、最近感じたもう一つのことは、友達と
「仕事をする上で大切なことは何か?」
を話していた時、テクニックや能力が大切なのはもちろんだが、欠かせないのは「人とのつながり」ではないかとなったことです。
 とてもありがたいことですが、こちらに来ている子ども達のほとんどが口コミや紹介など繋がりの中で入っていただいています。おかげで大規模な広告活動をしたことはありません。心から感謝しています。また学生講師の中には花まる出身者もいます。子どもに対する気持ちの軸の部分が同じと感じてとてもありがたい存在です。

 「人との共存」と「人とのつながり」。

 どちらをとっても「心」を抜きにはできないことです。
 中学入試の過去問題演習で、
「あなたが学校の先生で、AIでは引き出せない課題を出すとしたらどのような問題を出しますか?」
というものがありました。子ども達はその回答に「思い出」や「感情」というワードを用いて文章を書きました。
 AIの世の中が進む今からこそ、A Iができないことに関することが注目されるのだと思います。
 
 集団授業はたまたま子ども達が偶然出会う場所です。しかしそうした中での出会いが、子ども達の心にとって重要な出会いになる可能性もあります。

 4月当初はぎこちない関係であった子達は、12月の今ほとんどのコースで良い仲間となっています。
 子ども達には学習することの大切さと並行して、人との共存とつながりの必要性を感じる場となって欲しいと思います。そして自分の「心」は今何を感じているかに向き合って欲しいと思います。

 批判や追求は時には重要と思いますが、子ども達の今を考える時、お互いがお互いを思いやれること、価値観が違う子を許すことができること、私達講師は子ども達が スムーズな関係ができるよう上手く間に入っていきたいと思っています。
 
 いざこざがあって当たり前、でも最後は笑って別れられるような関係ができることが子ども達の明日へのエネルギーに結びついていくはずです。

 私は花まる学習会から出会った方がたくさんいます。NPOのむぎぐみの皆さんは中でも大きな存在です。つくばに花まるができた時、講演会やコンサート、イベントなどたくさん協力して頂きました。先日も記念の集まりがあり参加しました。久々ではありましたが、気取らず笑顔になれる雰囲気ですぐに会話が弾みました。

 子ども達の将来も居心地の良い人間関係がたくさんできていけたら良いなと思います。そうした関係の中で過ごすことでより幸福感が増していくと思います。人との共存とつながりを感じていけるような取り組みを今後も考えていきます。

 今年も駆け足で通りすぎた一年でした。しかし、たくさんの経験と出会いがあったこともまた事実です。   

 来年はどのようなことが起きて、どんな新たなつながりができていくことでしょう。それを楽しみに今年の残りの日々を過ごしていきたいと思います。

 入試が近い受験生と保護者の皆さま、最後まで頑張っていきましょう。体調整え元気で試験に臨めるようお祈りしています。

 今年も大変お世話になりました。皆さま、良いお年をお過ごしください。


 藤井道子