塾生2024年入試合格実績はこちら

 花みち元気塾通信2024年5月「終わらない修行」

 木々の緑が綺麗なこの季節、新年度の生活も慣れてきた頃でしょうか。
 

 子どもが通う学校の部活動のコーチの新年度のお話の中で
「成績が悪いから部活動出席停止などの圧力をかけることでは今の子どもたちはやる気にならないです。希望を叶えるためにはどうしたら良いかを一緒に考えていくスタイルが良いと感じています。」
との言葉がありました。私も心から共感しました。

 かつてスポーツ中は水を飲むのを禁止されていた時代でした。そうしたところから来ているのか、できないならゲーム取り上げ、素振り何千回、計算問題何百問など、その子がそうしたいと思ったなら応援しますが、子どもが罰のように強制的だと感じられることがプラスに働くことはないと思います。そういう私もかつて私の子がテストを持ち帰り、「5人バスに乗っていました。2人降りました。今何人乗っているでしょう?」という問題に5+2と書いた答案を見た途端強い怒りが湧き、怒鳴りながら何回もやり直しさせたことがあります。今本当に反省しています。それを真面目にやる子はこの上なく素直で良い子、そうした子だかこそ怒りをぶちまけられたと気がついたのは大分後のことです。私自身の問題だったと思います。

 やらされてやる気になる時代は高度成長期の時代から続くものであり、今の世の中を見るとその時代は終わりを告げたと私は考えています。自分の反省を込めて、強制的な学習でなく子ども自ら選択した道を進んで欲しくて、塾という形で子ども達を見てきたと言っても過言ではありません。そうして昨今世の中はその方向へ近づいていると感じます。

 そうは言っても入試や試合がある世の中は終わりません。必死にやる経験は必要です。で、あるなら大切なことは自分自身のアイデンティティを確立させ、世の中に貢献する人になりたい、そのためにはやるべきことはやらなければならないという気持ちを持って成長していくことだと思います。そのためのお手伝いをするのも私の役目だと勝手に思っています。今まで見てきた子全員、入試前は必死に学習に取り組んできました。

 新しく入ってくれた子どもたちの中にはうまく伸びていく子もいれば自信をなくして前向きになれずゲームやYouTubeに頼ってしまう子たちもいます。そうした子たちにはまずは今何をしたいか?それがわからないならこの飴の中ならどの味を選ぶかでもいい。そうした小さな選択から興味あることを引き出していきます。

もちろんかなりの時間はかかります。ですが長い人生、諦めずに今できることを周囲の大人は余裕を持って見ていかなくてはならなく、敏感な子は大人が少しでも自分を否定したりこう導こうとしていると感じたりした途端心を閉ざすこともあります。私は心の底にそうしたことを感じずどの子も平坦な目で見ていきたいと思います。


 いつもこのようなことを考えて過ごしていますが、それでも入試が近づくと余計な一言も出てしまいます。そのような時はまた反省しつつこれはこの先も終わらない私の修行なのだと思うようになりました。