本年度の作文・小説講習は終了いたしました。
講習後に書かれた子どもたちの作品を一部紹介いたします。
トカゲ(小3 Kさん)
ぼくは、トカゲとかヤモリとかカナヘビとか日本とカゲとかがすきです。かおうとおもうんですけどえさをだすのができないからさ。
虫かごにちょっといれてさいごににがしてる。すばやく音にはんのうするとぺたぺたとすばやくにげるのでつかまえるのがむずかしいし、くさむらとか石のしたにかくれてみつけるのがむずかしいけどトカゲとかヤモリとかカナヘビとか日本トカゲはかわいいです。
シャボン玉(小4 Mさん)
わたしは、今日の作文こうしゅうで、シャボン玉を見た。すごくきらきらしていて、ずっとみていると、ゆめの中にひきこまれそうだった。「どうやったらこんなにきらきらするのだろう。」「シャボン玉になってみたい。」と思った。「シャボン玉になったらきもちいいのかな?」という気もちもあった。
もしも、シャボン玉になっていたらどんな気もちになっていたかなどが、気になってしょうがなかった。
うまれかわったら、シャボン玉になりたいな。
黒ねこの道案内(小6 Rさん)
ある暑い夏の日のお昼ごろ、〇〇は下校中、友だちと道草をくったためにおそくなってしまいとてもあわてていた。〇〇の家は小さな森を通った先にある。〇〇はあせをたらしながら森を走った。
ところがおかしいいつもなら、1分も走らないうちに森の出口が見えてくるはずが今日は、出口が見えるどころかどんどん暗くなっていく。〇〇はこわくなり森の入り口がある方向へ走り出した。ところが入口もなかなか見えてこない。
〇〇は暑い中ずっと走っていたせいか、頭がいたくなってきてしまった。しかたなく、木の根元にすわり、きんきんに冷えているすいとうの中の氷水をのんだ。物音一つしないうす暗い森の中に〇〇の水をのむ音だけが響く。
10分ほど休けいすると〇〇は歩きだした。どこに出口や入口があるのかわからない。ただただあてもなく歩いた。〇〇は不安だった。ここはどこなのか、なぜ入口、出口がないのか。疑問がいっぱいだった。〇〇は泣きそうになった。このままここからでられないのだろうか。
その時だった。森の中に歩く音しかしないはずなのにカサカサと音がする。
「何なんだ」
〇〇はきょうふで足ががくがくふるえた。ふと視界のすみに何かが見えた気がしてふり向いた。そこにあったのは青白く光る二つの目。〇〇は声も出ない。ふるえて動けないでいる〇〇に目は近づいてくる。
「ニャー。」
ねこの鳴き声がした。よくみてみると青白い二つの目の正体はねこだった。まっ黒なねこ。家の中でならこわくもなんともないが、うす暗い森の中で見る黒ねこはなんとも不気味だった。
ところがどうだ。黒ねこは〇〇の足へより、のどをゴロゴロ鳴らしながらすりよってきた。その上〇〇をどこかへつれていこうとしているようだった。〇〇はねこの案内にしたがって森の中をあるいた。不思議なことにこの黒ねこのそばにいるとねこの考えていることがわかるのだ。反対にねこの方もこっちの考えていることがわかるらしい。歩いている内にいつのまにか〇〇と黒ねこは友だちになっていた。歩いている内に先の方にポッカリ明かりが見えてきた。
「出口だ。」
〇〇と黒ねこは走り出した。
出口をぬけると不思議なことに家の目の前だった。というのも森をぬけても少し田んぼ道を歩かなければ家につかないはずなのだ。しかし、〇〇はもうそんなことはどうでも良くなっていた。家に帰れるのだ。家にはどんよりした顔の母がいすにすわっていた、が〇〇を見たとたんとびついてきた。どうやら、けいさつまでよんで大さわぎだったらしい。
〇〇は今までの出来事を母につたえた。ねこのおかげで帰ってこれたことをしり、母はねこにとてもかんしゃした。そしてこの家に住まないかとねこにきいた。黒ねこはよろこんだ。森の中で一人で暮らしていてさびしかったのだ。こうして、黒ねこは〇〇のねこになった。名前は何にしようか家からはにぎやかな声が聞こえていた。
ところであの不思議な森は何だったのだろうか。それを知る者はだれもいない。
太陽とねずみと(小6 Sさん)
春の暑さを十分に帯びた風がさらさらと流れていた。その日、東京で二ひきのねずみが、はいきょと化した背の高いビルの下、話し込んでいた。
「人間もよくがんばったね。」
「そうだね。」
そのねずみたちの周囲は固く熱されたコンクリートばかりだった。土があっても干からびていた。
「それにしても愚かな最期だったね。」
片方のねずみが言った。
「いやはや、その通りだよ。」
もう片方が言った。
「ぼくはあまりの熱さに死んでいくのかと思っていたが。」
「ああ、学者等は最後までもがいていたが、結局のところ権力者による戦争でほろびていったね。そういうものなのだろうか。」
「どうなんだろうね。」
「どうして戦争になったんだか知っているか。」
「何でも、あまりの暑さでヒステリックになっていたどこかの首相がその暑さ故の食糧不足のために、他国の食物をうばおうとしたかららしい。」
「まあ、人間による世界の支配も長続きはしなかったってところだね。」
「ぼくたちの座っているこの木も弱ってきているし、あのコンクリートに落っこちたら焼け死んじゃうよ。」
「生きているネズミはぼく等くらいじゃないだろうか。」
「さびしいね。」
「さびしいね。」
そう言って彼等は話を止めた。
とうとうその年の夏がやってきた。一ぴきのねずみがもう動かないねずみに向かって話していた。
「AIすらいないこの世界。そろそろ生物もこの世から消え去るんじゃないかな。はぁ、ぼくはつかれたよ。ところで、君、ぼくはよく思うんだ。生物がみんな消えて誰も感じるものがいなくなった世界は果たして、存在しているといえるのかってね。生物の最後の一個体が死んだとき、それがもう世界の終わりなんじゃないかってね。」
太陽はぎらぎらと、地球を焼き続けていた。
「ぼくはもう、この世を去ろう。」
そのねずみは木から飛びおりた。太陽に熱されたコンクリートはじゅわじゅわと、じゅわじゅわと、一ぴきのねずみを焼いていた。