2025年11月

今月もよろしくお願いいたします。
花みち元気塾通信 2025年10月「いつだって“今”がスタート」
11月30日、不登校やそれを取り巻く子どもたちの現実をテーマに、対話と学びの場を開きます。
これまで、私どもの塾には不登校の子も来てくれています。その中の多くの子どもたちが “学びを止めている時間” を抱えながらも、この場に足を運んでくれました。
私はその間、彼らが進めなかった学びを少しずつ一緒に取り戻します。
興味のあること、悩んでいること、ちょっとした疑問…そうした対話を重ねることで、自然と距離が縮まっていきます。
特に、数学に「できる感覚」をつかむ体験は、子どもたちにとって入り口になりやすいと感じています。
時間がたつうちに、校舎に戻る子ども、あるいは高校入試を経て新しいステージに進む子どもたちも現れました。
部活、海外を目指す計画、新しい自己表現の模索――
それぞれが、それまでの殻を少しずつ破りながら、自分らしさを広げていったのです。
その変化を聞くたびに、過去に辛さがあったとしても、それがあったからこそ得たものがあると、心から感じます。
私はフリースクールやオルタナティブスクールを運営しながら、無理に学校へ戻ることを推すわけではありません。
それでも、もし可能なら「学校に通う」という選択肢も子どもたちの中に残しておきたいと願っています。
学校という場がすべてではないと知りつつも、
広い校庭、充実した施設、多様な人との出会い――
そうした環境がもたらす喜びや学びも確かに存在します。
公立・私立を問わず、学校制度には税金や助成金という社会の支えも働いています。
子どもが家で一人になる時間を減らしたいと願う保護者にとって、それは安心の一端になるでしょう。
ただし、出席しているという事実だけが安心をもたらすわけではありません。
重要なのは、子どもが“安心できる環境”にいること。
変えるべきは、子どもではなく、学校という枠組みです。
同じ進度・同じ方法を全員に押しつける教育から、
個性やペース、疑問への応答を許容できる教育へ。
そんな余裕と工夫があれば、学校に通えるようになる子どもはもっと増えるはずです。
少しくらいの変更では状況は変わりません。覚悟を持って今までの在り方をくつがえすくらいな。そうした視点での話し合いがスタートして欲しいです。
誰だって、“今”がスタートになります。
学校も、大人も、子どもを見る目の角度を変えて。
従来の「学校の型」に執着せず、新しい学校のモデルを共に始めるときが、まさに今なのだと思います。