豊かに生きるための「知」を共有
新年度から、花みちの全塾生に対して、記事を紹介する取り組みを始めたいと考えています。
とりあげる記事は、学習法、心理学、健康、お金、経済など、普段教わる機会が少ないテーマですが、豊かに生きるためにぜひ知ってほしい内容です。
毎週、記事をB5用紙1枚にまとめて用意します。これを配布し、授業時間の一部を使って読み合わせ、講師からの解説、またはディスカッションを行っていきます。
以下に一部のタイトルを紹介します。

<学習に関する記事>
● 学習効率
○ 集中力のピークを有効活用する方法
○ 理解力を鍛える勉強法
○ 記憶についての新常識
○ 認知についての認知

● その他
○ 面接を成功させる魔法の行動
○ 反復も込みで計画できていますか
○ 緊張を知れば緊張を操れる
<健康に関する記事>
● 心身の健康
○ 運動しないと「人生半分損してる」
○ ブドウ糖の飴は学習者の敵か味方か
○ デジタル麻薬
○ 睡眠は休息か?活動か?
● 頭の健康
○ 褒めた言葉は自分に返る
○ 物差し1つで人を測るべからず
○ お金 ~知識は安全保障~ 取り組み内容

花みちフィソロフィーの目的
この新しい取り組みに込められた思い・目的をお伝えします。
<学習面>どうせやるなら効率アップ
ものさし
勉強が何よりも優先されるべきではないと思っています。
勉強ができることよりも、人に優しくできることの方が時に勝ることがあります。
気遣いができてコミュニケーション能力が優れていることや、身だしなみを整え、容姿が良いことの方が時に勝ることがあります。
(ここでいう「勝る」とは「人からの評価」において、です。素晴らしい会社に入社できる理由が学歴とは限りません。社会で活躍している方々がみな高学歴とも限りません。)
もちろん、学びが不要だとは全く思っていません。学ぶことそのものに意義はありますし、学びの成果を示す学歴が有利に働くケースも多分にあるでしょう。
一方で、苦痛を伴いながら得た学びが、結果としてそれほど役立っていないケースもあるように思います。
だから、「すべての人が多くのリソースを勉強に割くべきである」とは思えないのです。
学ぶことが楽しくて仕方がない子、義務感から勉強を頑張れる子、そして勉強どころではない状況にいる子 -どんな子にも花みちで実りある時間を
新しい知識を得ることが楽しくて仕方ないという子がいます。この子は、放っておいても学びますので、好きなだけやらせたらいいですよね。
一方で、そうでない子もいます。大半の子どもたちはそうかもしれません。そういう子たちに、勉強の楽しさを教えられたら最高です。「○○先生のおかげで楽しくなってきた」と言ってもらえたら、講師冥利に尽きると思います。
私たちは、そうした努力を日々重ねているわけですが、その努力が実らず、どうしても勉強が楽しく思えない子がいることもまた事実です。
学ぶことが楽しくて仕方がない子、義務感から勉強を頑張れる子、そして勉強どころではない状況にいる子 -どんな子であっても、学校に通う限りは、みな等しく平等に勉強と切り離すことはできません。

勉強の効率化が生んだ時間をたくさんの経験に
もしも勉強がしんどいのであれば、少しの時間で済むようにしてあげたいですよね。必要な勉強はさっさと終わらせて、部活動や恋愛、趣味などの時間を十分に確保できるようにしてあげたいと思います。
その方が幸せでしょうし、たくさんの経験を積んだ人の方が「人からの評価」において有利になると思います。有効な勉強法を知ることで、これまで10時間かけても効果が得られなかったものが、たった1時間で成果を上げられるようになれば、勉強の苦しさも大きく軽減されるでしょう。
もしかすると、それをきっかけに勉強が楽しくなることだってあるかもしれません。こうした思いから、勉強法に関する記事を揃えました。
これらの記事が子どもたちに新たな楽しみを増やし、同時に苦しさを軽減する一助となればと考えております。
<健康面>豊かさは心身の健康から
健康
教えている子どもたちには健康で生きてほしいという風に願っています。
たしかに塾講師に求められている仕事は、勉強をできるようにしてあげることだとは思います。しかし、自分の生徒がどんなに勉強ができる子に育ったとしても、将来心のバランスを崩してしまい、社会との関わりを絶ってしまうようなことにはなってほしくありません。
幸せの基盤
幸福の定義に明確な結論を出すことはできませんが、幸せに必要な要素の1つは「成功」だと考えています。
しっかり稼ぎ、衣食住に困らないことは、幸せの基盤として大切です。そのために勉強をすることは、大切な手段の1つと言えます。また、前章でも触れたように、「人から評価されること」も成功の1つでしょう。
その成功を支えるのはやはり「人間関係」です。ともに成功を喜び合える仲間や家族がいなければ、成功の喜びは半減してしまいます。人を大切にできる人は、周囲からも愛され、幸せそうに見えます。
さらに、その人間関係を支える基盤となるのが「健康」だと考えています。どれほど素晴らしい人間関係を築いても、本人が不健康であれば、その価値が大きく損なわれてしまいます。逆に、健康な人は、多くの場合、人間関係が充実しているように見えます。

心・体・頭
こうした理由から、「心身の健康」についての知識を子どもたちと共有していきたいと考えています。たとえば、食事の重要性や運動の効果といった基本的な内容です。
そして、それらに加えて、特に注目したいのが「頭の健康」です。「頭の健康」とは、健全な思考や価値観を指します。
たとえば、「結果を出すことがすべてだ」といった考えに過度にとらわれると、自分や周囲を必要以上に追い込んでしまい、ストレスを溜めたり、人間関係を悪化させたりする可能性があります。
頭の健康を保つためには、「常識を疑う視点」を持つことや、「自分の思い込み」に気づくことが重要です。
メタ認知を働かせるような声かけ・仕組み・取り組みも
豊かに生きるための「知」の共有に加えて、今後子どもたちの「メタ認知を働かせる」取り組みもおこなっていきたいと考えています。
学習法に関する書籍を読み漁る中で「学力に与える影響は、知能(IQ)とメタ認知を合わせて約50%であり、特にメタ認知の方が知能よりも大きな割合を占める。」という知見に出会いました。
メタ認知とは、「自分は何を得意で、どこが苦手なのか」「どのように学べば効率的か」といった、自分自身の学びを客観視する力のことです。つまり、学習の質を高めるためには、メタ認知能力の向上を避けては通れないと言えます。
ただし、調べた限りでは、メタ認知能力そのものを鍛える具体的な方法は見つかりませんでした。
そこで、鍛えることはできなくとも、普段からメタ認知を働かせるような働きかけを子どもたちにしていきたいと考えます。
たとえば、「解いてきた問題を解説してください」という宿題を課すことで、自習時にもメタ認知を働かせるようにするなどです。
最初はうまくいかない場合も多いです。しかし、授業内で何度もフィードバックを繰り返すことで、次第に生徒に変化が見られるようになります。
たとえば、自習中の生徒同士で
「この解説じゃ先生は納得してくれないと思う」と互いに解説を評価しあう
「○○くん、ここがよく理解できていないから教えて?」と互いに教えあう
といったような会話が生まれています。
未来を創る子ども達へ、知識と熟考を。

花みち元気塾では、今までも、これからも、子ども達の自信と笑顔のために、全ての子の可能性を信じ、あらゆる価値観を養い、自己の社会的役割を果たすことを理念としてきました。
私たちは出会った子達が大人になった時、「あなたは幸せですか?」と聞かれて「はい!」 と全員が即答できること を目指しています。
この新しい取り組みを通じて、また一歩その理想に近づけるのではないかと予感しています。子どもたちの輝く未来へ、一緒に進んでいきましょう。