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花みち元気塾通信2022年7月「怒りのスイッチを押す前に」

ある日の夕方、生徒の学習を見ている時に携帯の画面にLINEの一言が。
「明日の試合行けなくなった」と息子から。
「何で?」と私。
「昼休み携帯見てた」と息子。
明日の試合は出ず、学校に行って授業を受けるよう監督に言われたそうだった。

明日は私は5時前に起きて数人のメンバーを競技場に送り届ける役目があり、その後試合を観戦するのをとても楽しみにしていたのに。
暗雲が近づいてくるように急に怒りが込み上げそうになったのですが、
目の前の生徒達に視線を戻した瞬間、
皆一生懸命問題を解いている姿を目にして、
「あ、そうそう私の今やることはこっちこっち」
という気持ちになり、
その瞬間、
黒い暗雲はグレーに変わり、
私の怒りのスイッチは押されることがなく平常心に戻ったのでした。

私の怒りのスイッチは右側の頭の斜め下くらいにあります。今まで何度そのスイッチを押して怒り狂ったかわかりません。
特に長男には何度も何度も・・・
そして同時に思ったのは、
たとえ自分の子が試合に行かなくても、
予定通りメンバーを送迎しようと思い、
「明日は送迎しなくても大丈夫です。」
と心配して連絡してくれたお友達のお母様に
「大丈夫、私が行きます!」
と返信したのでした。

次の日予定通り送迎し、試合も観戦し、
チームのメンバーに
「迷惑かけてごめんね。引き続きよろしくお願いします。」
と一言行って帰りました。

この怒りのスイッチを押さなかったのはなぜか?
帰りの車の中で考えました。
私が怒ったことで思春期の息子は変わらない、
携帯を禁止したり、
取り上げることも本質ではない、
私ができるのは息子が気づくことを願うことだけ、
私自身の覚悟を決めることしかできないと感じたからだという気持ちになった時、妙に腑に落ちました。

思春期以降の子どもの心を無理矢理強制して、
矯正することはもうできなく、
そう育てた自分を反省はするけれど、
痛めつけることには意味がないのではないかと思います。
「今息子と関わっている皆さん、どうぞお願いします。」
そう思うことしか私にはもはやできないのです。

親子も違う人間、この後はもっともっと離れていき、子育ては自立してもらうことが一つの目標です。

向き合ってお互いの感情をぶつけ合うのではなく、
同じ方向を見て、
時には肩を叩いて、
時には背中を押して、
そうやって自立という目標に向かっていけることが
穏やかに暮らせることなのかもしれません。

それでもまだまだいろんなことが起きる時期、
私の心を強くすることに精進することは
この先も一生続くことなのだと思います。