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花みち元気塾通信 2021年10月号「不良のススメ」

 この季節、夜10時過ぎ、仕事が終わってから外に出ると風が爽やかで、夜空を見上げると広い世界が私の周りを取り巻いていて、空が自分のもののように感じられます。「わーすごーい」などと誰もいないのに思わず声に出してしまいます。

 先日花まるグループの高濱代表と、ちょっと遊び人の方が人としての面白さが感じられるのではないかという話をしました。

 実は私も遊び人という言葉が当てはまります。
中学生までは優等生、あまりに真面目すぎて、布団が少し曲がっただけでも眠れず起き上がって真っ直ぐにしてということを繰り返し、そのうち不眠症になって悩んだこともあるくらいでした。 

 高校生になって変わりました。高校は県立の優秀と言われる高校でしたが、真面目なカラーに染まるのが嫌で、学生カバンを縫い合わせて薄くし、カバンの後ろに大きなピンクのシールを貼り、制服がなかったのでいつも好きな服装で登校していました。入学式ではオレンジ色のスカートを履いて目立っていました。高校の帰りは図書館で勉強すると思いつつ、男子校の生徒と仲良くなることが目的でずっとおしゃべりしていましたし、お腹が空くとハンバーガーやチョコパフェを食べて寄り道してそこでもまたおしゃべり。家に帰ると何事もなかったようにまた夕食を食べて過ごす毎日。通知表はひどいもので、家に帰って誰にも見せずに机の中にしまっていました。

 大学時代は、毎日映画を観てからの登校、授業中は自分なりにその映画は何がいいたいかったかを考えていました。経営学部だったので簿記がありましたがどうしても興味が持てず、簿記の教授が「女らしさの生き方」という本を読んでレポートを書けば単位をくれるというので急いで本を読んでレポートを書きました。
 ゼミは研究よりも、授業後の飲み会がメインでした。渋谷、青山、原宿、六本木と好き勝手に飛び回り、みんなで大騒ぎしたり合コンに凝ったり本当に楽しい思い出ばかりです。酔って帰って次の日どうやって帰ったのか覚えていないことも。何事も経験と思って、タバコ、競馬、パチンコなどもしましたが、すぐ飽きて辞めました。お金がなくなればアルバイト、家庭教師、塾講師、フアーストフード、イベントコンパニオンなど何でもやってみました。

外国に行きたいと思ったら即行動。多くの国にも行き、日本では体験できないこともたくさんしました。
どの時代も何時間も答えの出ないあらゆることについて話し合い、考えた毎日。
その甲斐あってか、どんな人とでも話せるし、どんな状況でも何とかなると根拠のない自信もこの頃の遊びでついたのかもしれません。
 
 なんて人でしょう、、、と思われるかもしれませんが、自分の中でのここまでという線引きは一応あるのです。

 大学を卒業する時、クリスチャンであったゼミの教授に「光の中へ」という言葉を書いた色紙を手渡されました。その言葉に心がズキンとしたのを覚えています。真面目に勉強しなかった私にスポットライトが当たるような言葉をくださって感謝でいっぱいの気持ちになりました。

今でもその頃の仲間に会うと大笑いの思い出話になります。私が覚えていないことを思い出させてくれます。自分の子どもが勉強していると当然という顔をしながらも、よく頑張るなー、私はそんなに勉強しなかったなーと密かに思ってしまいます。

 勉強をもう少ししておけばよかったとは思いますが、夢中になる感覚は手に入れたと思っています。
 こんな私が、こんな私だからこそ今の子ども達に伝えたいのは、楽しいと思うことをして生きて欲しいということです。
 周囲が望むからとか周囲と違ってはよくないからといった気持ちで行動するのではなく、進路、仕事ともに自分自身でやりたいことを選択して納得して進んで欲しいと思います。そうした中での壁はきっと乗り越えられるに違いありません。
 
 楽しさの中にはちょっと不良のこともこともあるかもしれません。が、不良だからこその楽しさもあります。その思いは何が大切かの取捨選択につながり人としての深さと面白さになっていくのではないかと感じます。
 
 私は表には表しませんが心の中で密かに子ども達に「不良のススメ」をしています。

 それは「お腹の底から笑える経験」と訳したいと思います。