佐藤初女さんおにぎり講習を受けました。
初女さんは亡くなってしまいましたが、その意を継いでいる方が教えて下さいました。
落ち着いた雰囲気の中、
お米は研ぐのではなく、洗うように、
お米は水を吸わせることで一粒一粒が立つ。
のりを丁寧に真四角に切って、
塩加減も適度に、
握るときはご飯をつぶさずに。
食べる人のことを考えながら。
など基本とは思いますが私には学ぶことがたくさんありました。
教えてもらっているそばから、まちがってしまい、子どもに偉そうなこと言えないなと思いました。
私が握るおにぎりは、いつも忙しさにかまけて、ラップにご飯を入れてぎゅっと握りつぶすようなおにぎりでした。
頭の中は次にすることでいっぱいで、早く作って次のことしたい、そればかり考えてしまいます。
ゆっくりした時間が流れる中、私はこのおにぎりを作る手順は子どもを育てることと似ているような気がしてきました。
一人一人丁寧に、愛情かけて、焦らず、心をこめて。
子どもたち、いえ人というものは暖かく、大切に向かい合ってもらうことがどんなに嬉しいことか。
自分自身はそうしてもらうと嬉しいのに、自分の心に余裕が無くなると、相手にはそうした態度で接することができなくなってしまうことがあります。
私もいつもそうしたことの繰り返しですが、以前よりはほんの少し、いっぱいいっぱいの気持ちの時、おにぎりが空気を含ませることが大切なように、私も自分の心にひと呼吸いれることはできるようになったように思います。
花まる、花みちに通う子ども達はどうしてこんなに良い子達なのかと思います。
いじわるな子はいません。
皆心に余裕があります。
もちろん時折言い合いやけんかもしますがお互いへの思いやりは忘れません。
人への気遣いも持ち合わせています。
それは言い換えれば、育てる保護者の皆さまの心の余裕からなのだと思います。
心の中の余裕は、はっきりとして言葉にするのは難しいのですが、そこからかもしだされるそのオーラというか雰囲気というか、そのようなものを感じさせる力になっていくのではないでしょうか。
私の教室では、脱いだ靴の整理が徹底しています。
先日気がついたら驚く程きれいに並べてあり思わず写真に撮りました。
たかがおにぎり、たかが靴の脱ぎ方と思いますが、
実はそこに生きる上での重要なポイントが隠されているのではないかと考えます。
人として必要なことを持っていくことが人生を豊かにすることにつながるのではないか、そう思うのです。
こんな風に考えて、いつも心の余裕を待たなくては...と思いつつ、
次の瞬間はまた忙しく動いて、ガンとどこかに頭や足をぶつけてしまうほどそそっかしい私なのですが。
それでも、立ち止まって今の状態を考えるために、何か今とは違う世界に身を置くことを時折忘れないでしていきたいと思います。
おにぎり講習を受けてから毎日おにぎりを握っています。
もし良かったらご一緒に握りませんか?
藤井道子