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花みち元気塾通信 2019年4月号「心の壁を取り払おう」

 ご入学、ご進級おめでとうございます。
桜も咲き終わり、一斉に緑の葉が溢れ出すこの季節は生きるもののエネルギーを感じる季節でもあります。


 小学生の頃学校の帰り道、トカゲを見つけて、木の棒で追いかけていたらしっぽが切れてしまいました。トカゲ本体はさっと逃げましたが、残ったしっぽも動いているのを見て「えー何で?すごい!生きてるの?」と思った記憶があります。だれにでもこのような新しい発見はあるはずです。新しいことに気がついて知るということは、とても刺激的で興味があることでした。それが本来の学習だと思います。ですがいつの間にか、学校で新しく習うことに興味がなくなり、新しいことを知ることに気が進まなくなり、家でもう一度考えてみたいという気持ちがなくなっていくのはどうしてでしょうか?難しくなるからでしょうか?でもクイズなどは難しいとより解いてみようと熱くなるものです。暗記することが増えるからでしょうか?でもアニメのキャラクターにしても好きな歌の歌詞についても興味さえあればいくらでも覚えられます。勉強は、新しいことを知る=テストに出る、入試で間違えてはいけない、できなかったら周囲に何か言われるなど、不安感や恐怖心が同時に出てしまうのではないか、またそれと共に、遊びたい、友達と話したい、など他にやりたいことの気持ちも溢れ、それらが入り混じってより学ぶ意欲がなくなっていくように感じます。

 本当に学習に熱中出来るようになるには、新たに知ることを楽しみ、試験などで失敗しても周囲の評価を恐れない気持ちを持って勉強をとらえることができるようになることが大切かと思えてきます。親やその他の大人の子どもへの評価と言葉かけ、そして教える側の教え方と学習への導入の仕方、それも非常に重要なポイントになるのではないでしょうか?

 私たちはまず、世の中に境界を作らず、先入観を持たずに生きることが子どもの成長にも必要だと思います。うちの子、よその子、日本の子、外国の子、できる子、できない子、良い子、悪い子、そういった壁を取り払って、皆で子ども達を育てて行く、そこに未来が開ける道があるように思います。地図にある国境は人間が作ったもので、もともと存在しません。動物はアジアからヨーロッパまで自由に行き来できるのです。人間にはそれを実際にまねることは出来ませんが、子どもへの細かな評価をすることなく、心の中で全世界の子どもの幸せを願うこと、それはいくらでもできます。そうした心で過ごす人々の日常の姿が子ども達への将来につながるように感じるのです。

 「世の中のどんなものよりも人の心は広く大きくなる。」そう信じてこの新しい年度も進んで行きたい、私はそんなことを考えながら新年度の準備をしています。          
今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

藤井 道子