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花みち元気塾通信 2019年3月号「会話と家庭との関係」

 園児から中学生までどの学年を見る時にも、私が最も重要なこととしているのは、前に立って説明する人の話が聞けるかと言う点です。さらに言うと、姿勢良く、目を生き生きとさせながら、最後までしっかりと聞くことができるかということも大切です。なぜならそれができれば学習の第一段階はもうクリアしていると思うからです。簡単なように思いますが、習慣になることは子ども達にとって難しいことです。大人でも難しい時があります。ついつい子どもが話していることをいい加減に聞きがちになってしまったり、授業参観などで思わず立ち話をしてしまったりということがあります。しかし、真剣に話を聞くということはどんな場でもとても重要なことです。

 私が担当する子ども達には全員それを徹底させたいと思っています。
前に立っている人の話を聞くのを習慣にするには家庭の力も大きいことは明らかです。それはその家の文化でもあると私は考えています。お互いに思いやりを持って会話をする、その会話は好き勝手にそれぞれが話すのではなく、つながりをもってひとつの会話をつくりあげていくようなものであって欲しいと思います。
 また話す側にも責任があります。花まる学習会では子ども達が教室長の話を聞かないのは、教室長の話に魅力がないからではないかという考えでいます。話す側も聞きたくなるような話し方と内容を考えて話していくべきです。
 話す側も聞く側も人として必要な相手を思いやる優しさと愛情をもつこと、それが基盤となるのかもしれません。
 愛情といえば、先日生徒から、「先生、お母さんが作ったおにぎり、食べきれないのでどうぞ。すごくおいしいですよ。」と声をかけられました。見ると大きなおにぎりで、中に何が入っているのか聞くと、手作りのとんかつが入っているとのこと。普段は授業が終わるまで何も食べないでいますが、休み時間に一気に食べてしまいました。このような愛情いっぱいの手作りを作る家庭では会話もきっと暖かいものに違いないと想像できます。暖かい雰囲気で食事をすることは、会話がはずむために必要なことです。私自身料理も手抜きになって子どもと一緒に食事をすることはほとんどなくなってしまったことに反省しました。その家の食事とその家の会話の力は関係がないようで、実は密接な関係性があるように思いました。国語ができないとの悩みが以前より多くなって来ています。これもスマホやパソコンが普及して一人一台の時代となり、会話する時間が大幅に少なくなってしまった影響もあるのではないですしょうか?まずは家庭での食事から会話を作り出していくことで、話を聞く習慣も身に付けることができるようになるのかもしれません。

 今年度も終わります。大変お世話になりました。今年度の経験を生かしまた来年度につなげられるよう本質的で充実した内容を進めて行きたいと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。 

藤井 道子