独身時代に、保護者の方々からよく相談された「男の子あるある」。
例えば、考えなしに突っ走るので怪我が多い、片付けない、よく物を無くす、ノートや私物が汚い、などです。まさか、自分が母になり同じ悩みでため息をつく日が来るとは、当時は微塵も考えませんでした。
我が家の長男の「あるある」を一部紹介します。
- ①ランドセルの奥から、ジャバラ状のテストやプリントが大量に出てくる。(猫が掻き出して発覚!)
- ②筆箱を覗くと、細かく千切った消しゴムや芯だけ丁寧に抜かれた鉛筆が出てくる。(芯がビュンと飛ぶように改造されたペンも)
- ③学校の机の上がいつも物であふれていると面談で指摘される。(4年連続)
- ④前の授業で使った教科書類が机上に山積みで、なんとその上で板書をしていた。
等々。恥ずかしさと怒りと諦めの感情が入り交じり、自分の育て方や対応の仕方が悪かったのかと頭を悩ませました。
そんな時、とある先生に言われた一言でハッとしたのを今でも思い出します。「お母さん、短所はきっと直らないですよ。でも単に苦手なことがある、というだけで、お子さんの得意なことは他にいっぱいあるからそれでいいじゃないですか!」と。
そうでしたそうでした。人それぞれ長所や短所があり、それが魅力や個性なんですよね。みんな違うからこそ面白い、ということをつい忘れかけてしまう「母親脳」から、一歩抜け出せた瞬間でした。
息子は実験(いたずら含め)大好きで、個性が強めです。しかし個性を認めてくれる環境を作って下さる学校の先生方には感謝しかありません。芯が飛び出す改造ペンを作って遊んでいた彼が、将来ロケットを作ってしまう日が来るかもしれません。可能性の芽を摘んでしまわないよう、息子を笑って「認めて」あげようと思います。
稲川 頼子