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2018年6月号「母親について考える」

花みち元気塾通信

 ロシアのスケート選手に秋田犬を贈るニュースを見て思い出しました。私の実家でも秋田犬を飼っていて、かわいくて仕方が無かった思い出があります、私が都内で一人暮らしをし始めた後、実家では秋田犬を2匹飼うようになりました。ある時、3匹の子犬が生まれたと母から知らされ、私は早く会いたくて、仕事が終わってから急いで実家に帰り、子犬に対面しました。「かわいいー」と抱こうとしたその時、母親の犬がうなりながら子犬を口でくわえて、私から遠ざかりました。あんなに私になついていたのに、子犬が生まれるとこんな動物的になるのかと少し恐い気持ちになりました。

 そうしてそれから何年かして私も母親になるわけですが、私自身も親になると同時に、今までの自分でない自分になっていた気がします。何としても自分の子を守らなければいけないといった感じです。夫より子どもが第一になりました。以前見た秋田犬と同じように。子どもをベビーチェアに座らせて料理をしていた時、ベビーチェアから立ち上がろうとしたのに気がつき、包丁を投げ捨てて子どもを抱きに行った時は、「自分って母親なんだ。」と実感した瞬間でした。それから、次男も生まれて、誰一人知らないこの土地に来て、毎日朝から晩まで三人で過ごしました。家事をして、公園で遊ばせて、買い物して帰って時計を見ると、いつも2時20分で、夜までにまだ何時間もあると思うと涙が出てくるのでした。夫は忙しく、話すのは赤ちゃん語と公園で会った人たち。話してお友達になりたいと思っても、なぜか長男は公園の外に出てその周囲を歩き、誰とも話すこともできず帰って来たこともよくありました。それでも幼稚園に入ってから小,中、高とママ友も出来て楽しく過ごして来たのですが、今こうしてある程度子育てが終わってみると(実際にはまだ終わっていませんが)子どもを通しての自分は本当の自分とはやや違った気がしています。きちんとした子どもにしないと、というプライドもあったし、自分自身もよく見せたいという自意識過剰な面もあったと思います。少し時間が出来た頃、花まるで週に1時間、さらに翌年土曜日午前中だけというように少しずつ仕事をし続けて来ました。久々に手にしたバイト代は最初月に5千円にも満たなかったのですが記帳した通帳にお金が入ったのを見て嬉しかったのを覚えています。その後も自分の子ども以外の子どもを見ることを続けながら、子ども達を思う気持ちが募り、次第にしたいことが次々に出てきました。いろいろなことをしていくうち、「ん?そういえば私ってこういうタイプだった。」と学生時代からの自由奔放な本当の自分を思い出す気がしています。

 私がしていることに意味があるかないか、また私に力があるかないかを別として、子ども達を取り巻く状況に問題意識を感じ、子ども達のために何かしたいという熱意だけは誰にも負けない気持ちでいるし、そこに関しては少し自信もあります。妥協することなく良いものを追求し続けたいと思っています。

 今月私が言いたいのは、今子育て真最中のお母様方、母親として毎日奮闘していることと思いますが、子育てはいつか終わります。子育ては終わっても人生は終わらないことを意識してください。その後まだまだ自分自身の人生が待っているということを忘れないでください。子育ては人生の一部、それなら出来るだけ楽しみ、それをまた糧として自分自身の人生に新たな何かを見つけていけると毎日前向きに過ごすことも大切なのではないかと思います。楽しそうに笑うママをみることが子どもの幸せにつながることは間違いないのです。そして私はどんな子どもにもその子の良さを認め、信じることでお母様方に協力したいという気持ちを持ちつつ、微力な力を振り絞って頑張りたいと心から思っています。

花みち元気塾 藤井 道子